【おはようの朝とおやすみの夜】

おやすみは 夜に臨む畏れを和らげるささやかなお呪い

おはようは 朝に捧げる今日という一日への感謝の祈り

陽が昇り空が目を醒ます

藍色の夜の裾を西に追いやって

今日もまたくり返す 新しい日々の始まり

今はまだ 閉じたままの瞼に影が 揺れて 動いて

未だ 夢から醒めないままに

「おはよう」

過ぎた いつかの朝の様に

いつか 隣にいた誰かに

薄いカーテンを通して届く金色の朝の光は穏やか

だから やさしい声で「おはよう」

一人きりの広い部屋 大きなベッドの上で 朝の小さな祈り

その声に 意識は最後の夢から醒めるでしょう

まだ 瞳は閉じたままに

「おはよう」

もう一度

自分を笑いながら 朝の祈り

それはもう 自分への祈り

新しい世界への祈り

目を開けて身を起こし カーテンを開ければ

遠くから強く 照らす朝の光

人気のないビルの隙間を

黒い影が ゴミをあさりにせわしなく飛んでいる

まだ 早い

いつもの時間まで一眠り

もう一度「おやすみ」

歪んだ笑みで朝日を眺めながら「おやすみ」

誰かに向かって「おやすみ」

朝は来る

くり返す

命ある者の時の上に

夜も来る

くり返す

朝の終わりに

生き物は飽きることなく受け入れる

くり返すおはようの朝とおやすみの夜

目を醒ました 貴方に

「おはよう」

眠りについた 貴方に

「おやすみ」

もう一度

「おやすみ」

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